Perfect Choice|プレ花さんのための結婚準備ブログ

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日本人は「ダイヤモンドは高い石である」と刷り込まれている

大学の講義でオークション

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とある大学教授が50人の学生を前に講義をしている。

 

今日は一風変わった講義のようだ。

 

おもむろにワインや日本酒,おつまみセットや高級チョコレートを取り出し,それぞれひとつずつ商品の説明を始める。

 

「この日本酒は「全米日本酒鑑評会 2018」で銀賞受賞したものだ。香りは豊かで果実というより花のような甘い香りがする。口当たりは非常に淡麗で舌の上を抵抗無く滑り,染み込むように喉に流れる感覚は水のようである。最高位の日本酒と言っていいだろう」という具合だ。

 

全部で5つの商品の説明が終わるとそれぞれの商品の写真が並べられたプリントを配り,教授はこう言った。

 

「今から各商品の下に君たちの電話番号の下4桁を書いてくれ」

 

「できたら,下4桁の番号の下にその4桁の番号を金額として書いてくれ

と依頼した。

 

「1234」であったら「1234円」という具合だ。

 

続けて,その金額で各商品を買ってもいいかを「はい」,「いいえ」で記入して欲しいと依頼した。

 

最後にその商品に支払ってもよい最高金額(入札額)を書き入れさせた

 

実際に各商品の最高金額を書いた(落札した)学生には教壇に出てきて代金を支払い商品を受け取った。

 

一体何のために講義で”競り”のような真似事を行ったのであろうか。

人間の判断は恣意的な数字に惑わされる

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これは電話番号の下4桁の金額を商品に支払ってもよいか聞いただけで,「自分商品に支払ってもよいと思う金額」が影響されるかを調べたものである。

 

上記実験は多少日本風にアレンジしているが,MITのMBAの学生に対して実際に行われたものだ。

 

どのような結果になったであろうか。

 

何と学生のプリントを集計すると,下4桁の数字が大きい学生の入札額は高く,下4桁の数字が小さい学生の入札額が低いという結果がはじき出されたのだ。

 

商品とは全く関係のない下4桁の電話番号が商品の購入金額に影響を与えてしまったのだ。

 

つまり,驚くべきことにたとえ最初に提示された価格が恣意的でも,ひとたび我々の意識に定着してしまえば,その価格を基準に判断してしまうという結果となった。

 

新商品の値札を見た時,我々はその値段をすんなり受け入れてしまうようだ。

「ダイヤモンドは高い石」と刷り込まれている日本人

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婚約指輪を探しにブランドショップに訪れたとしよう。

 

ショップ店員に30万円のダイヤモンドを見せてもらった。そうするとどうだろう。

 

我々は最初に見た30万円のダイヤモンドの価格とクオリティを基準として,次に見たダイヤモンドを相対的に判断をしてしまうのだ。

 

「MITの学生が電話番号の下4桁に入札額が影響されたこと」と同じように,30万円というダイヤモンドの金額が合理的な価格であろうとなかろうと,今後見るダイヤモンドに支払べき価格の基準となってしまうのである。

 

日本で販売されている婚約指輪の価格は,世界で取引されている市場価格から大きくかけ離れた値段であり,信じられない価格で売買が行われているという事実がある。

 

相場を知っていればおよそ買わないような数倍の値段が平気でつけられているのだ。

 

上記話は当ブログで散々させていただいている。

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  (ダイヤモンドの詳細なクオリティまで考慮した比較ではないが,ダイヤはすべて0.25カラット,プラチナのリングでほぼ同じような条件にした結果だ。ティファニーと4℃においてはダイヤのクオリティが不明だがそこそこ良いダイヤが装着されているだろう。Brilliance+,BLUE NILE,JAMES ALLENでは「Gカラーの透明度はVVS1でカットはエクセレント」のダイヤでの価格である。

 

上図を見ると,「日本でよく見かけるティファニーや4℃」は「アメリカの企業であり世界2大オンラインジュエラーのBLUE NILEやJAMES ALLENの2倍程度の価格である。

 

最初に30万円のダイヤモンドを見せられたら,10万ちょっとで同じクオリティのダイヤモンドが本当は購入できることなんて考えもしないだろう。

 

上記事実を知らない日本人である我々は「ダイヤモンドは高い石である」と刷り込まれてしまったのだ。

 

ちなみに,ダイヤのクオリティはダイヤの世界共通の評価基準の”4C”で決まるのでティファニーで買ったら,良いブランドだから値段が高い分良いダイヤになるということはない。

<”4C"が分からない方はこちらの記事へどうぞ>

ダイヤモンドの4Cとは。重視すべきCはどれ?【婚約指輪】 - 立ち上がれ貧乏人!! ~資本家階級への挑戦~

BLUE NILEやJAMES ALLENについては他の記事で詳述している。当記事の趣旨と反れるのでそちらの記事に話を譲ろう。

>>BLUE NILE(ブルーナイル)

ジュエリーコーディネーターも知らない最安値で婚約指輪(ダイヤモンド)を手に入れる方法!まだ日本でダイヤ買ってるの? - 立ち上がれ貧乏人!! ~資本家階級への挑戦~

 

>>JAMES ALLEN(ジェームス・アレン)

【コスパ重視必見】世界の2大ダイヤモンドオンラインショップで日本の半額以下で婚約指輪(ダイヤ)を買おう【JAMES ALLEN】 - 立ち上がれ貧乏人!! ~資本家階級への挑戦~

価値のない黒真珠を高級品に

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購入者側の視点からすると,恣意的な値段設定はたまったもんじゃないが,販売者側の視点から見ると価値のないものを高額で販売出来たらこれほどうまい話はない。

 

そんなうまい話を1970年代に実現した男が存在する。

 

タヒチサンゴ礁に黒蝶貝という貝がごろごろしていて,その貝の中から黒真珠と言う真珠が出てくる。

 

当時は黒真珠に需要も販路も全くなかったのだが,これを高級品に一変させてしまったというのだ。

いったい何をしたのだろうか。

 

彼は高級宝石ブランドの「ハリー・ウィンストン」のショーウィンドウに法外に高い値札をつけて黒真珠を飾らせたのだ。

 

また,豪華な雑誌にダイヤ・ルビー・エメラルドと一緒に堂々と黒真珠を並べて光り輝かせ,全面広告を出した。

 

するとどうなったであろうか。

 

海中のロープに連なっただれも見向きもしない黒蝶貝から出てきた真珠が,ニューヨークで指折りのセレブの首にブローチとしてさげられるようになったのだ。

 

全く需要のなかったうろ真珠がとんでもない高級品に生まれ変わった瞬間だ。

 

黒真珠の法外な高額な値段が人々に刷り込まれたのである。

まとめ

あなたは電話番号の下4桁が商品を落札しようと思う価格に影響を与えると思ったであろうか。

 

我々は知らず知らずの内にでたらめな値段が脳裏に刷り込まれ,刷り込まれた値段を基準にして判断をしてしまっている可能性がある。

 

需要と供給のバランスだけでモノの価格が決定されるわけではなさそうだ。

 

「自分の意思決定は自分の思い通りになっている」と思ったら大間違いだ。

 

以上

[参考文献]予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) ダン アリエリー (著), Dan Ariely (原著), 熊谷 淳子 (翻訳)

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