昨今Uber Eats(ウーバーイーツ)の配達パートナーを副業として実施する人が増えている。
筆者としては、副業として時間を切り売りする労働を選択する点や時給換算したとしてもせいぜい1000円程度(*)にしかならない点を考慮すると、とても魅力的とは思えない。
もっとも、投資で数百万溶かし、ブログでも数万円しか稼げてない私には全く説得力はないが、、、
しかしながら、彼らが配達を続けるモチベーションは一体どこから湧いて出てくるのか気になってしまう。
今回は、Uber Eats(ウーバーイーツ)の仕組み(ビジネスモデル)を解き明かしながら、配達を続けるモチベーションを探ってみよう。
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- 仕組みの前にそもそもUber Eats(ウーバーイーツ)とは
- Uber Eats(ウーバーイーツ)と注文者のビジネスモデル
- Uber Eats(ウーバーイーツ)と加盟店のビジネスモデル
- Uber Eats(ウーバーイーツ)配達のビジネスモデル
- Uber Eats(ウーバーイーツ)の収益
- 出来高制がUber Eats(ウーバーイーツ)配達をむしばむ
- Uber Eats(ウーバーイーツ)配達の収益は下がり続けていく
- Uber Eats(ウーバーイーツ)はエンターテイメントの顔をした悪魔
- Uber Eats(ウーバーイーツ)配達の想定しうるトラブル
- まとめ:ギグエコノミーモデルの労働
仕組みの前にそもそもUber Eats(ウーバーイーツ)とは
フードデリバリーサービス「Uber Eats」(読み:ウーバーイーツ)は、2015年12月にUber が開始した世界中で展開するデリバリーサービスです。
日本では2016年9月29日に東京でサービスを開始しました。
ユーザーとレストランパートナー、配達パートナーの三者をUber の革新的なテクノロジーで繋ぐことにより、最短時間で人気店の美味しい料理をお届けします。
引用元:Uber Eats 配達パートナーバイド(https://uber.app.box.com/v/dpgb)
Uber Eats(ウーバーイーツ)とは、一言で言えば「出前サービス」である。
そして、出前サービスの配達パートナーを副業として実施しようという人が昨今増えてきている状態だ。
あなたが、注文者だとすると配達パートナーの仕事は以下の通りだ。
- あなたはUber Eats のアプリからハンバーガーの配達を依頼するとしよう
- ハンバーガーショップの近くにいる配達パートナーへ通知が届く
- 配達パートナーはハンバーガーショップへ注文した品物を取りに行く
- 配達パートナーは品物をあなたへ届ける
配達パートナーは注文の多そうな場所で張っていて、やっても良い配達依頼の通知が来たら配達を実施するというわけだ。
Uber Eats(ウーバーイーツ)と注文者のビジネスモデル
注文者はUber Eats(ウーバーイーツ)から注文する時今までは一律380円の配送料がかかっていた。
現在は、受取場所やレストランの所在地による変動手数料になったようだ。
配送手数料は都市ごとに異なる料金帯から、主に料理の受け取り場所やレストランの所在地によって決定いたします。
例えば、遠くにあるレストランより近くにあるレストランのほうが配送手数料が安くなる傾向にあります。
引用元:Uber Eats ブログ
https://www.ubereats.com/blog/ja-JP/tokyo/introducing-new-delivery-fees/
HPでざっと配送手数料を見てみると、今までの380円を平均値として260円や570円などと散らばっている印象を受けた。
混雑具合によっては、1000円オーバーになるパターンもあるようだ。
ポイントとしては、注文者からUber Eats(ウーバーイーツ)へは以下の通りの収益が入る。
- 注文者からUber Eats へ380円前後の配送料が入る
今ならUber Eats(ウーバーイーツ)普及のために、2回まで1,000円OFFなどとキャンペーンを盛んに実施している。
ほぼ無料でUber Eats(ウーバーイーツ)を利用することができるので、ものは試しに一度利用してみてはいかがでしょう?
Uber Eats(ウーバーイーツ)と加盟店のビジネスモデル
一方で、Uber Eats の加盟店(レストラン等)は初期費用は無料で、手数料は注文者の注文総額の35%のみだ。
- 初期費用:無料
- 手数料:注文総額35%
単純明快なシステムで、非常に加盟しやすいだろう。
手数料が35%であり、メルカリの販売手数料が10%なのに比べると若干高額な印象だ。
しかし、手数料が高い分商品の元々の価格を上げれば良いのでそれほど痛手ではないだろう。
注文者にとっても、店舗に出向いて購入するより配達の方が商品価格が高くなることは違和感はない。
ポイントとしては、加盟店からUber Eats(ウーバーイーツ)へは以下の通りの収益が入る。
- 加盟店からUber Eats へ注文総額の35%の収益が入る
Uber Eats(ウーバーイーツ)配達のビジネスモデル
配達パートナーの収入は以下テーブルで計算される。
- 受取料金:レストランへ商品を取りに行くと発生
- 受渡料金:注文者へ商品を渡すと発生
- 距離料金:レストランから配達先までの距離に応じて発生
例えば、東京で注文者が2km先のレストランから配達を頼んだ場合、
- 受取料金(265円)+受渡料金(125円)+距離料金(60*2=120円)=配達基本料金(510円)
- 配達基本料金(510円)ー手数料(510*0.1=51円)=459円
配達パートナーは459円の収益を獲得することができるということだ。
ポイントとしては、配達パートナーからUber Eats(ウーバーイーツ)へは以下の通りの収益が入る。
- 配達パートナーからUber Eats へ配達基本料金の10%の収益が入る
この他にも配達パートナーへ3種類の上乗せされるインセンティブがある。
インセンティブ1:ブースト
配送料の基本料金を、ご注文の多い時間や場所において、一定の倍率(1.1倍、1.4倍など)で増額する仕組みをブーストと呼びます。
引用元:Uber Eats 配達パートナーバイド(https://uber.app.box.com/v/dpgb
注文の多い場所は収益を上乗せするシステムだ。
注文の多い地域にはたくさんの配達パートナーに配備してもらう必要がある、少し収益を多くしているのだろう。
インセンティブ2:クエスト
通常の配送料やブーストに加え、配送件数に応じて追加で報酬が支払われるインセンティブをクエストと呼びます。
例えば、「4回配達完了で400円を獲得、8回配達完了で1,000円を獲得、12回配達完了で1,600円」といったクエストが存在します。
引用元:Uber Eats 配達パートナーバイド(https://uber.app.box.com/v/dpgb)
こちらはランチのピークタイムや台風などの悪天候時に、決められた時間内で達成した配送件数に応じてインセンティブが支払われるものだ。
インセンティブ3:オンライン時間
オンライン時間インセンティブは、指定された時間において、配送料とブーストを合わせた金額が一定額に満たなかった場合、その差額をお支払いするものです。
引用元:Uber Eats 配達パートナーバイド(https://uber.app.box.com/v/dpgb)
こちらは閑散時間などに待機せども注文者からの注文が発生せず、待ちぼうけになってしまった場合でも、収入保証として一定の金額をもらえるものである。
Uber Eats(ウーバーイーツ)の収益
ここまで見てみるとUber Eats(ウーバーイーツ)はステークホルダーである「注文者」、「配達パートナー」、「加盟店」の全てから手数料を得ていることがわかる。
- 注文者からUber Eats へ380円前後の配送料が入る
- 加盟店からUber Eats へ注文総額の35%の収益が入る
- 配達パートナーからUber Eats へ配達基本料金の10%の収益が入る
例えば、1000円の商品を配送したとするとUber Eats(ウーバーイーツ)へは360円の収益が入ることになる。
- 注文者からの配送料:380円
- 加盟店からの手数料:(1000円+380円)*0.35=480円
- 配達パートナーからの手数料:51円(*)
- 合計:911円
(*)上述の東京で注文者が2km先のレストランから配達を頼んだ場合
911円から配達パートナーへの配送基本料(510円)を引くと401円。
1000円の配送を行うだけで、Uber Eats(ウーバーイーツ)は401円もの収益を得ることができるのだ。
配達パートナーが自転車をコギコギしている中、Uber Eats(ウーバーイーツ)は出来上がったシステムを稼働させるだけで、40%もの収益が発生するのだ。
実によくできたシステムだ。
出来高制がUber Eats(ウーバーイーツ)配達をむしばむ
胴元にこれだけの資金が入るということは、割を食うステークホルダーが存在するはずである。
配達パートナーだ。
購入者も通常より上増しされた商品の料金に加えて、配送料も払っており、金銭的負担は若干大きい。
しかし、家にいながらにして商品を受け取れるというのは大きなメリットであろう。
一方配達パートナーはというと、完全歩合制なので働いた出来高分だけ報酬がもらえるということだ。
マルクスが「出来高制は資本家がより搾取を強める方式だ」と謳っていたのが思い出される。
例えば、8時間働き日給8000円の時間労働制で、平均的な労働者は16件配達できるとしよう。
この時、「1件配達したら500円とする」というのが出来高制で今のUber Eats(ウーバーイーツ)の仕組みである。
人並みに働けるのであれば、時間労働制でも出来高制でも変わりはないだろう。
しかし、人並み以上に働けない場合は、出来高制の場合収入が下がってしまう。
時間労働制は中途半端な仕事でも決まった金額が入ってくるが、出来高制はやった分しか収益は入ってこない。
企業の立場から見ると、時間労働制は労働者の能力不足のリスクを企業が負っていたが、出来高制は労働者自身に負ってもらうことができる。
この違い分が企業サイドを有利にするのだ。
この話を知らないあなたはマルクスの資本論を読むと価値観がガラッと変わるかもしれない。
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Uber Eats(ウーバーイーツ)配達の収益は下がり続けていく
実際の配達パートナーはどのくらいの収益を得ているのであろうか。
トップスピードで穴を踏んでしまい、衝撃でパンクしてチェーンが外れ、スマホが吹っ飛ぶ。渋谷の首都高のガード下、玉川通りから六本木通り方面の自転車通行帯。自転車はル・サイクに預け、1km徒歩で届けた。
— 寝太郎🚴 (@mnetaro) September 18, 2019
20102円(14102+雨1800+雨3000+跨1200)、9h15m、時給2173円。#ウーバーイーツ pic.twitter.com/eB0DsvEMuM
ジャスト8時間、サラリーマン。特筆すべきこともないので、混じりっけなしの純白のもやし炒めでも…
— 寝太郎🚴 (@mnetaro) September 23, 2019
18065円、8h、時給2258円。#ウーバーイーツ pic.twitter.com/FhaYztpJJj
今週のウーバーイーツ福岡の稼ぎ
— 🏆たくぼん🐸🐯🐙🐶 ㌠ダナン🇻🇳なう! (@777takubon777) September 22, 2019
オンライン時間33時間30分
配達件数99件
売り上げ49,113円
時給換算1,466円
福岡でもまぁまぁ状況はいいかも!
けど東京と比べるとロングが衝撃の安さ!これは酷い…旅行から帰還したら東京に戻ることも視野。 pic.twitter.com/dVBvLYIF2M
概ね時給換算すると1000円から2000円に落ち着いており、効率よく行えば時給2000円オーバーも夢でないといったところであろうか(*)。
のんびり配達すれば1000円を切ることもあるだろう。
おしなべると普通のバイトをするよりは、時給も高く周りとのしがらみもなく一人で仕事を完結できるので一見良さそうに見える。
しかしながら筆者は、配達パートナーに高い時給を提供するのは今だけだと考える。
現在はUber Eats(ウーバーイーツ)を日本で広く展開させるために配達パートナーを欲している。
たくさんの人に配達パートナーをやってもらうために、インセンティブを少し多く払うことで魅力的に見せているのだ。
また、Uber Eats(ウーバーイーツ)はインセンティブだけでなく紹介制度にも力を入れているようだ。
例えば紹介した人が50件の配達を完了すると8万円ももらえる紹介制度を打ち出したこともある。
高額な紹介報酬と魅力的なインセンティブにより現在配達パートナーが瞬く間に増えている。
しかし、高額な報酬はずっとは続かないだろう。
配達パートナーを潤沢に獲得できたら、高額な収益を配達パートナーに還元させ続ける必要がないからだ。
配達パートナーを欲しているから収益を高くしているだけで、配達パートナーが揃えば収益を配達パートナーに還元する必要はないのだ。
今後、報酬体系の変更などを巧みに使い少しづつ配達パートナーの報酬を減らしていくことが容易に想像できる。
配達パートナーの報酬を下げれば、配達パートナーが辞めてしまうのでは、という意見もあるだろうが私はそうは考えない。
Uber Eats(ウーバーイーツ)には「配達パートナーは収益が下がっても配達をおそらく辞めないだろう」という目論見があるのだ。
Uber Eats(ウーバーイーツ)はエンターテイメントの顔をした悪魔
鍵となるのが前述のインセンティブである。
このインセンティブ制度は配達パートナーの心理を巧みに操っている。
労働をまるでゲームかのように錯覚させる効果を持っているのだ。
クエストやブーストは聞いただけでも大人気ゲームである「ポケモンGO」や「ドラクエウォーク」を彷彿させる。
雨の日でも炎天下でも、未だに街のオブジェの周りにポケモンGO民がたむろしているのを見ると、上記ゲームの中毒性が高いのは間違いない。
ポケモンGOでタスクを達成してリワードを得るのに必死になるのように、配達パートナーはウーバーイーツのクエストを達成して成果報酬を得るのに必死になるのだ。
配達パートナーはゲームさながらのインセンティブ制度にモチベートされて、どんどんウーバーイーツの配達にのめり込んでいく。
働いている感覚などサラサラなくなってしまっている人も一定数出てくるだろう。
彼らにとってはポケモンGOをやりながらお金ももらえるくらいの感覚だろう。
収益が下がろうが彼らはゲームとしてこれからも配達を続けていくのだ。
Uber Eats(ウーバーイーツ)はまさにエンターテイメントの顔した悪魔のようだ。
まぁ、お腹周りがちょっと気になり出したあなたにとっては、ゲーム感覚で良いダイエットになる上に、お金ももらえると考える事もできる。
物事は捉え方次第だ。
Uber Eats(ウーバーイーツ)配達の想定しうるトラブル
Uber Eats(ウーバーイーツ)では以下のようなトラブルが今後発生するだろう。
クエスト達成のための無理な運転
配達パートナーはウーバーイーツのクエストをクリアすることに没頭し、自分のレベル(=注文者からの評価)あげに時間を捧げ、自転車をこぎ続ける。
今後はクエスト達成のために無理な運転をすることによる事故が増えるのが目に見える。
ニュースで社会問題として、取り沙汰されるのも時間の問題だろう。
(2019/10/29)追記
Uber Eats頼んだら、配送30分ぐらい遅れたうえに、スープこぼされてグチャグチャになってたから受取拒否したら、マンション共有部分に投げ捨てられてた。かなりありえないんだけど、サポートに連絡したら、個人事業主だから関与できない、勝手に警察に連絡しろの一点張り。ありえない…。@UberEats_JP pic.twitter.com/MxqpA46x3t
— Junya ISHINO/石野純也 (@june_ya) October 5, 2019
やはり、徐々に問題になってきている。
上記件はニュースにも取り上げられ大きな話題にもなったようだ。
今ではUber Eats(ウーバーイーツ)の関連キーワードとして、「ぐちゃぐちゃ」が出てきてしまうほどだ。。。
まとめ:ギグエコノミーモデルの労働
今回はUber Eats(ウーバーイーツ)のビジネスモデルを解き明かしてみた。
Uber Eats(ウーバーイーツ)の配達が人気な裏には大きく2つのポイントがあると考察した。
- 現在は配達パートナー獲得フェーズのため収益設定が高め
- ゲームをするかのように労働ができる
しかしながらUber Eats(ウーバーイーツ)の配達に情熱を注いでいただいたところで、特別なスキルは獲得できない。
今後も配達パートナーへの収益は下がっていくことが予想され、ジリ貧になっていくことだろう。
副業としてのUber Eats(ウーバーイーツ)配達は果たして本当に魅力的な選択なのであろうか。
これからの時代はUber Eats(ウーバーイーツ)のようなギグエコノミーモデルの労働形態が増えていくだろう。
他人とのコミュニケーションが最低限で済み、比較的自由な労働ができるメリットもある一方で、貧困に拍車をかけるリスクもあり諸刃の剣だ。
目先の収益だけに囚われず、想定しうるリスク等も考慮しながらあなたらしい最適な働き方を選択できれば幸いだ。
(*)報酬は時間、地域、プロモーションによって異なります。